兵庫県多可郡多可町のとんかつ専門店 大八万楼(だいはちまんろう)のCI。
大八万楼の歴史:
1971年、中華料理店として創業。器用だった初代(父)が、とんかつ・オリジナルブレンドのとんかつソースも考案。
初代の他界後、母が15年間、メニューを絞りながら居酒屋として店を守り、2001年、2代目が修業より大八万楼へ戻る。飲む場所が少なかった当時、地元の人に大事にしてほしい想いから、とんかつ・焼めし・ラーメン・餃子・おでんなど、メニューを増やしていく。
新店舗 移転を計画中、妻(営業終了後の深夜でも、子どもたちのためにお菓子・ケーキをよく焼いていた愛情深い人であった)が他界。人手不足のため、和菓子店に勤めていた長女が大八万楼へ戻る。
2022年、現店舗への移転時に、創業時からのメニュー・こだわりのラードで揚げるとんかつの専門店へ移行。初代考案のとんかつソースも受け継いでいる。とんかつ厨房横に、バウムクーヘン製造室を設置。長女がつくる、水分量とシンプルにこだわった、しっとりバウムクーヘンの発売を開始。
店名の意味:
創業時につくられた扁額に、筆文字で記された、縦組の店名「大八万楼」と、信条「我 真をもって 人に接すれば 人 皆 真をもって 相集う也」。
「大八万楼を縦に書くと、大・八と、すえひろがりの文字が重なり縁起が良い。もともと中華料理店、楼は中国語で、人が集まる場所という意味がある。」
- 大 / 八:すえひろがりを象徴する文字
- 万 / 八万(やよろず):きわめて数が多い意から、末広がりが重なることを意味する
- 楼:料理屋、人が集まる場所を意味する
Process:
「とんかつは、ラードで揚げる。冬は固まる、傷みも酸化も早い、あつかいにくい油だが、いろんな油を試した結果、やっぱりラードが旨い。」
「チャーハンもラードで炒めるとうまい。家でも試してみて。」
「とんかつは、まずは塩で。いい肉や刺身は、塩で食べるとおいしい。」
「とんかつソースは、親父が考案したオリジナルブレンド。ハンバーグやパスタに合わせる人もいる。ボロネーゼにしてもうまい。」
「小さい頃は野菜嫌いだった。父が、キャベツにとんかつソースとマヨネーズをかけてくれて食べれるようになった。」
「とんかつソースは、父から母、息子へ守り続けてきた味。ソースを継いでいけば、親父が生きた証も残る。」
「バウムクーヘンは、水分量=卵白の量と、シンプルにこだわり、しっとりを目指している。」
厨房で話を聞くと、どんどん出てくる、見えないところで施された、味へのこだわり。
その見えないこだわりを聞いて食べると、もっとうまい。
中華・居酒屋・とんかつ・バウムクーヘン、食べてくれる人に応えるメニューの歴史と、おいしいを追求した素材・技・味へのこだわりを語る笑顔を見て、創業から変わらず「真をもって人に接する」姿勢を、CIで表現したいと考えました。
Concept:
おいしい、こだわり、すえひろがり。
要望に応え変遷してきた、おいしい。
見えないところにこだわり、試行錯誤した、
素材と技のシンプルな、おいしい。
創業より、人・素材・技に、 真をもって接したおいしいに、
皆が集う、 すえひろがり、大八万楼。
Design Point:
シンボルマーク「八」
- すえひろがりの象徴、八をモチーフにしたマーク。
ロゴタイプ
「大八万楼」
- 扁額の筆文字が縦組で表現した「すえひろがり」を踏襲。
「創業昭和四六年」
- 創業から変わらない「真をもって人に接する姿勢」を歴史として表現。
「ラード揚とんかつ」
- 見えないこだわり「ラードで揚げる」を伝える。
- とんかつに特化したことを伝える。
「DAIHACHIMAN-RO」
- 中華料理店を起源とする店名を、初見で読むことができる=覚えてもらうための補完情報。
2024.01.17
Client 株式会社 大八万楼
Design SEDIE DESIGN
Photograph 多可町商工会 / SEDIE DESIGN
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